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症状別の消化器疾患

吐き気・嘔吐

吐き気や嘔吐の種類

吐き気や嘔吐は、大きく「中枢性嘔吐」と「末梢性嘔吐」に分けられます。

中枢性嘔吐

脳にある「嘔吐中枢」が直接刺激されて起こる嘔吐です。
頭痛や意識障害など脳に関連する症状を伴うことがあり、吐き気を伴わずに突然吐くのが特徴です。

末梢性嘔吐

胃腸などの消化管や内耳など、脳以外の部分からの刺激で起こります。
一般的には吐き気を伴い、めまいや耳鳴りなどの内耳症状や、下痢・腹痛などの消化器症状を伴うことがあります。

このような方は受診ください

  • 激しい腹痛を伴う
  • 血液が混じる嘔吐、黒色の吐物がある
  • 発熱を伴う嘔吐
  • 頭痛、意識障害、けいれんなど脳の症状を伴う
  • 症状が強く水分摂取ができない
  • 妊娠中の強い吐き気や嘔吐

治療方法

絶食・安静 胃腸を休めるため、食事を控え、安静にします。嘔吐時は仰向けではなく、顔を横に向けた回復体位をとると誤嚥防止になります。
水分補給 嘔吐を繰り返すと、カリウム・ナトリウムなどの電解質や水分が失われます。吐き気が落ち着いたら、経口補水液などを少量ずつこまめに補給します。
点滴 嘔吐が続いて経口摂取が難しい場合は、点滴で水分・電解質を補います。
薬物治療 原因に応じて、吐き気止め、胃薬(胃酸分泌抑制薬)、抗菌薬、抗不安薬、抗めまい薬などを使用します。

胸やけ・呑酸

胸やけは、胸の真ん中あたりにみられる熱感や不快感などの症状です。呑酸(どんさん)は酸っぱい液がのどまで上がってくる症状のことを言います。
食後横になった時や起床時に悪化しやすく、年齢とともに症状を感じる方は増加します。

このような方は受診ください

  • 1週間以上胸やけが続く
  • 食事がとれない、体重減少、出血がある
  • 市販薬で改善しない
  • 症状が頻繁に出る(週2日以上)

対処・治療方法

生活習慣の改善
  • 食後すぐに横にならない
  • 脂っこい食事、アルコール、カフェインを控える
  • 腹八分目を心がけ、深夜の飲食や不規則な食事を避ける
  • 起床後に水分摂取
  • 禁煙
  • 減量
薬物療法 胃酸分泌抑制薬、粘膜保護薬、消化促進薬(機能性ディスペプシア治療薬)

胃もたれ

胃もたれとは、食後に胃が「重い」「張った」と感じる状態が続き、食べたものがいつまでも胃に残っているような不快感がある症状を指します。食欲の低下や吐き気、げっぷを伴うこともあり、人によっては朝起きたときにも症状が残っている場合があります。

このような方は受診ください

  • 胃もたれが2週間以上続く
  • 食欲低下、体重減少、吐き気、貧血、血便、黒色便がある
  • 50歳以上で初めて症状が出た場合(がん検査が必要)

対処・治療方法

生活習慣の改善
  • 消化のよいものをよくかんで食べる
  • 過食・早食い・脂っこい料理・刺激物を避ける
  • ストレスをためない
  • 十分な睡眠
薬物療法 胃酸分泌抑制薬、粘膜保護薬、消化促進薬(機能性ディスペプシア治療薬)

胃の痛み・腹痛

内臓の痛みは場所を特定しにくく、はっきりと「ここが痛い」と言えないこともあります。胃の痛みはみぞおち(胸の下あたり)に感じることが多く、腹痛は右下腹部や左下腹部に限局したり、腹部全体に広がることもあります。

痛みの感じ方はさまざまで「ジクジクする」「焼けるよう」「しめつけられるよう」「急に刺すよう」などと表現されます。
また、心臓の病気が胃痛や腹痛として感じられることもあり注意が必要です。

このような方は受診ください

  • 痛みが数日以上続く、または頻繁に繰り返す
  • 強い腹痛とともに冷や汗や顔面蒼白がある
  • 吐血、黒色便がある
  • 食事がとれないほどの痛み、体重減少がある
  • 高齢の方
  • 糖尿病、心臓病、脂質異常症などの基礎疾患がある
  • 妊娠の可能性がある女性

対処・治療方法

安静 胃腸を休めるため、安静にします。
食事改善 食事は少量ずつ分けてください。また刺激物(アルコール、カフェイン、香辛料、脂っこいもの)を控えましょう。
水分補給 経口補水液などを少量ずつこまめに補給します。
対症療法・根本治療 原因となる病気に応じて治療を行います。

便秘

便秘は、量や質の異常によって本来排出すべき便を十分かつ快適に出せない状態を指します。毎日便が出なくても、症状がなく定期的に排便があれば便秘とは限りません。

このような方は受診ください

  • 便秘が数週間以上続く
  • 便に血が混じる、黒色便が出る
  • 腹痛やお腹の張りが続く
  • 体重減少、食欲不振を伴う
  • 下剤が効かない、または効きすぎる
  • 急に症状が悪化した
  • 便秘と下痢を繰り返す

対処・治療方法

生活習慣の改善
  • 食物繊維(不溶性・水溶性)の摂取
  • 水分をしっかり補給
  • 適度な運動
  • 排便習慣の確立(毎日同じ時間にトイレに行く)
  • 腹部マッサージ
薬物療法
便秘のタイプに応じて以下の薬を使い分けます。
  • 膨張性下剤
  • 浸透圧性下剤
  • 上皮機能変容薬
  • 刺激性下剤

下痢

水分を多く含んだ水様〜泥状の便が出る状態を下痢といいます。
排便回数や量が増えることが多く、14日未満で改善する下痢を「急性下痢」、4週間以上続くものを「慢性下痢」と分類されます。症状として、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐、脱水、血便、粘液便を伴うことがあります。

このような方は受診ください

  • 体重減少、食欲不振を伴う
  • 4週間以上続く慢性下痢
  • 強い脱水症状や意識障害
  • 1日10回以上の激しい下痢
  • 高熱
  • 血便・黒色便
  • 激しい腹痛
  • 嘔吐で水分がとれない

対処・治療方法

脱水予防・補液
  • 水分と電解質(ナトリウム・カリウム)補給
  • 経口補水液やスポーツドリンクの利用

※重症例は点滴が必要

食事改善
  • 消化がよく腸への刺激が少ない食品
    (おかゆ、うどん、ささみ、白身魚、半熟卵、やわらかく煮た野菜、プリン、ヨーグルトなど)
薬物治療
  • 整腸剤・プロバイオティクス
  • 下痢止め(細菌性やウイルス性の場合は使用を避ける場合あり)
  • 抗菌薬(重症例や特定感染症、原虫・寄生虫感染などに限る)

血便・黒色便(タール便)

血便は主に大腸など下部消化管からの出血で、便の表面に血が付く、便器が赤く染まるなどの症状です。鮮紅色〜暗赤色の便になります。

黒色便(タール便)は主に胃など上部消化管からの出血で、黒く粘り気と光沢がある便が特徴です。
※出血部位や滞在時間により色は変化します。

このような方は受診ください

  • 少量の血便が数日以上続く
  • 黒色便(上部消化管出血の可能性あり)
  • 便秘・体重減少・体調不良を伴う血便
  • 50歳以上で初めての血便、家族に大腸がんの既往がある
特に以下の症状の方は緊急受診をおすすめします
  • 便器が真っ赤になる大量出血
  • 貧血症状(息切れ、だるさ、動悸、めまい、冷や汗など)
  • 腹痛・高熱・嘔吐を伴う

対処・治療方法

緊急輸血・止血処置 大量出血や貧血症状がある場合は、緊急輸血や止血処置を行うことがあります。
緊急性がなければ原因に応じた治療を実施します。